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ここ1年くらい、入水自殺がいいなと思うようになりはじめた。

(どうやって向かうかとか荷物の処理はまだ考えてない、)人のいない穏やかな夏の早朝の海で睡眠薬をありったけ飲んで足に重りをつけて海へ沈んでいく。薬が胃の中で暴れないよう絶食はしない方がいいのかも。

こう書くとなんか文学的で綺麗に死ねてるかもしれないけど、実際はそんな上手くいかない、多分。水死体は見るに耐えないし、納骨とかしてもらいたくないから探さないでほしいんだけど仮に私のぐちゃぐちゃにふやけた遺体を親が見たら、計り知れないショックを受けるだろう。他人のことに配慮してたらいつまでも死ねないけど、でもやっぱり考えてしまう。あと睡眠薬でどれくらい意識がぼやけるかも問題。重りをつけて水の中に沈んでいくって冷静に考えたら自分に処刑でも課してんのかって感じだ。納骨してほしくない、探さないでほしい、自然に還るように死にたい、行方不明ってことになりたい。これらを全て総合すると理想は入水自殺なんだけど、難しいかな。でもやりたい。未遂だけは絶対になりたくない。きっぱり死ぬ。でも私の死体によって海が汚されていくのかなと思うとそれもまたうーんとなってしまう。無になりたい。光になって消えたい。

 

一番楽なのは当然首吊りだろうけど、第一発見者とか家族とかに私がぷらーんと首を吊った状態のものをお見せした時の当事者の気持ちを思うとなんかそれもいたたまれない。あと大島てるに載りたくない。何の罪もないマンションに事故物件のレッテル貼らせたくないよね。光になって消えたい。

 

 

高校の頃に国語の教科書で見た、山川方夫の『他人の夏』という短編小説が凄く好き。

八月、海辺の街でガソリンスタンドのバイトをしている慎一は仕事が終わった深夜、若い女性が一人夜の海を泳いでいるのを見つけた。明確な言葉がなくても、その人が自殺しようとしていることが分かった。慎一は女性を止めるでもなく、父の言葉を口にした。

「死のうとしている人間を軽蔑しちゃいけない。どんな人間にも、その人なりの苦労や、正義がある。その人だけの生きがいってやつがある。そいつは、他の人間には、絶対にわかりっこないんだ、って。(中略)だから、目の前で人間が死のうとしても、それを止めちゃいけない。その人を好きなように死なしてやるほうが、ずっと親切だし、本当は、ずっと勇気のいることなんだ、って……。」

漁師であったその父も、また入水自殺をしていた。結局その話を聞いて女性は自殺をやめたのだが、私はこの死生観が凄く好き。人の死について他人がとやかく言う権利はないし、止める権利もない。作中のお父さんの言葉が、自殺という一見希望とは対比にあるものについて語っているのに優しくて、それが好きで私はこの考えをずっと持って生きてきた。

全文載せてるブログがあったので興味あれば是非。

 

 

 

迷うわ〜