眠剤は飲んで数分経った時がピークなのだ。

傍に携帯をいじってる時、何気なく部屋のものを見てる時、全部においてふわっと包み込むような優しさを感じる。優しくなりたいと思える。決して箍が外れることのないような絶対的な安心感。

しかしその瞬間は一瞬だ。その次に何か行動を始めようとベッドに移ったりしようとするとそれは魔法のごとく体から抜けていってしまう。あの感覚が好きな為に眠剤を使用していると言っても過言ではないのに。美味しいショートケーキのいちごを真っ先に食べ終えたかのように、そのあとは覚める焦燥に向けいやに体感が加速する。焦ったところでさっきの心地の良いダウナーは二度と戻ってこない。もう分からない、それで終わりなのだ

最近は薬自体の効きが悪くなってるので冷めたらあとはもう自分が横になるか残りの効果を効かせてくる薬に逆らい起きてるかの攻防戦だ。体内に入ってしまった薬はもうどうしようもない、突然忌まわしくなってしまう

あの感覚が永遠に続くものがあったらいいなあと思いつつ、それはきっと法を犯すような薬なので駄目だと悟る。

一番鬱になるのは夜だ。それは全て違うが一様に深く暗く沈殿するような鬱の底にいたのは間違いなかった

こんな不毛な時間をどうすればいい、そもそも結局携帯開いてる自分が悪い、寝れない原因はこれだけじゃないだろうと思いつつ今はやるせない気持ちが押し寄せる

酒にもっと逃げられたらいいのだろうか。人間何かに依存しないとやっていけないっていうのは真理だと思う。なんかもうどうしようもない、今ここに2人だったらセックスして紛らわすなんかもできたのに

とにかく夜を乗り切る方法が知りたい